ステップ2 設定の準備
具体的なGMOサインの設定に進む前に、実現したい内容をしっかりと設計しておくことで、より効果的な運用につながります。
【目次】
1.運用フローの検討 ※スモールスタート
・現状フローの洗い出し
・自社から送信する場合のフロー
・自社が受信する場合のフロー
2.社内規程の整備 ※スモールスタート
3.既存契約書雛形の修正 ※スモールスタート
4.利用メンバーの選定 ※スモールスタート
・利用するメンバーの洗い出し
・メンバーに付与するロールの検討
5.便利機能活用の検討 ※もっと活用
・送信時の便利機能
・便利な送信方法
・管理をするときの便利機能
下記の図は、紙の契約と電子契約それぞれの一般的なフローです。
電子契約は非常に便利で効率化を図ることができますが、紙の契約で行っていたフローをそのまま電子契約のフローに当てはめてしまうと逆に手間が増えることもあります。
例えば、今までの運用に合わせ署名完了後の文書を印刷してファイリングしたりといった事例もあります。
電子化のメリットを活かせるよう、効率化できるようにフローを検討しましょう。
まずは上記の図の「紙の契約」のように、現状のフローを洗い出してみましょう。
現状のフローを洗い出した後は、GMOサインを使って送付する場合のフローを検討します。
主な検討ポイントを挙げます。
・承認者(自社ワークフロー) ★契約印&実印プラン対象★
署名依頼を送付する前に社内の承認を得るワークフローを設定するか検討しましょう。
GMOサインでは署名者へ署名依頼が送信された時点で課金され、自社ワークフローで承認が完了するまでは課金されません。
利用シーンとしては、押印申請の代わりとして利用する・別途上げている押印申請との突合を承認者が行うといった活用方法があります。
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・署名者
実際に署名を行う方を検討します。
電子署名は紙面で締結する場合の丸印や角印にあたるものであり、決裁権限規程などで押印者が決められているケースも多いです。
承認者にも言えますが、ポイントとしては承認や署名をするべき人のみ設定する点です。
例えば、紙面での締結の際に締結完了文書を書庫へ保管する担当の方の押印もしていた場合、その方もフローに入れてしまうと冗長になり電子化の効果が弱まります。
・相手先への通知
電子契約を行うにあたり、相手先へ事前に電子契約で締結したい旨を通知しておく方が円滑に進みます。
また、相手先の署名者の氏名やメールアドレスを取得するフローも検討しておいた方がよいでしょう。
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・署名完了文書への情報入力
署名が完了した文書には電子証明書が付与されますが、それ以外にも任意で文書に情報を登録することが可能です。
利用シーンとしては、後から検索しやすくする・電子帳簿保存法に対応するなどが考えられますので、目的に合わせて入力有無や内容を検討しましょう。
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・署名者の検討
署名依頼を受け取った場合も検討しておきましょう。
(相手先もGMOサインを使っている想定です)
といっても、紙の運用と同様で相手先から押印の依頼を受けた場合と同じです。
署名依頼を受けた際に、相手先に伝える署名者を決めておきましょう。
・署名完了文書への情報入力
送信した文書と同様、受信した文書にも情報を登録することが可能です。
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下記で挙げる2つの規程は、電子契約で関係する代表的な規程です。
もちろん下記の内容で修正したり作成をしなくても運用はできますが、
整備しておくことでガバナンス強化にもつながります。
文書管理規程は、文書の作成、取扱い、廃棄および整理等を目的とした内容です。
既に規程がある場合も、もし紙面についてのみを対象とした内容であれば電子契約サービスを利用して締結した契約書も対象にした内容にする必要があります。
作成(改訂)のポイントとしては、下記の2点です。
①文書の定義に電磁的記録も含めること
②文書の保存・保管場所としてクラウドサーバーを追加すること
印章管理規程は、会社の印章の種類、作成、登録、保管、使用および廃止その他必要な事項を定めた規程です。
文書管理規程と同様、既に規程がある場合でも、物理的な印鑑のみを対象としているケースが多く、電子署名も対象にした内容にする必要があります。
※具体的な内容につきましては、法務部門や顧問弁護士様へのご相談をお願いします。
既存の契約書などの文書について、紙での運用を前提にしている条項が記載されていることが多いため、修正をした方が良いでしょう。
例えば、下記のような条項が記載されていることが一般的です。
「甲及び乙は、本契約書を二通作成し、記名及び押印の上、各自一通ずつ保管する。」
こちらの内容を、電子契約に対応した内容に修正いただければと思います。
下記は、電子契約に対応かつ、紙での運用も想定した内容のサンプルです。
「甲及び乙は、契約締結の証として本書を電磁的に作成し、署名捺印又は記名押印に代わる電磁的処理を施し、各自が保管する。
ただし、電磁的処理が困難な場合は、この契約書を二通作成し、記名及び押印のうえ各自一通ずつ保管することができるものとする。」
※具体的な内容につきましては、法務部門や顧問弁護士様へのご相談をお願いします。
GMOサインを利用するメンバーを洗い出しましょう。
おそらく利用シーンに合わせて、下記のような区分けが考えられます。
管理者 |
GMOサインの管理を行う方です。 ユーザーの登録・削除、フォルダの作成、といったメンテンナンスをする方です。 |
---|---|
署名者 | 署名を行う方です。 |
承認者 | 「自社ワークフロー」で承認を行う方です。 |
契約担当者 | GMOサインで署名依頼を起案する方です。 |
文書への情報登録者 | 署名が完了した文書の詳細情報を入力する方です。 |
GMOサインでは、登録ユーザーに対して「ロール」と呼ばれる権限が紐づいています。
このロールによって、GMOサイン上で作業できる内容や権限が変わってきます。
ロールは下記の種類があり、上記で洗い出したメンバーに対してどのロールを付与するか検討しましょう。
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・アクセスコード
署名者に署名文書を開くためのコードを設定することができ、セキュリティ強化につながります。
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・署名者変更
署名依頼を送った相手先の担当者が、別の担当者に署名依頼を転送できる機能です。
利用シーンとしては、相手先の担当者が署名権限者ではない場合に署名者に相手先内で依頼してもらう場合などが考えられます。
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・印影
GMOサインでは印影、つまり締結する文書に印鑑の画像を残すことができますが、ただの画像ですので印影自体に法的な効力はありません。
電子証明書やタイムスタンプがあれば問題ありませんので、印影を必要としない署名(不可視署名)とすることも可能です。
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・受領者
起票も署名もしない第三者に対して、署名完了の通知を行うことができます。
例えば、署名完了の文書への文書詳細情報を入力する担当を設定するといった活用が考えられます。
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・テンプレート
よく使うパターンを予め登録しておき、署名依頼を効率化する機能です。
署名者、文書、署名位置などが設定対象で、一部の項目だけの設定も可能です。
そのため、
①部署によって署名者が異なる
部署ごと、署名者だけをセットしたテンプレートを作ることで、部署の方は起票時に署名者を選択する手間が省けます。
②全社共通のフォーマットがある
全社で使っている機密保持契約書・同意書などのフォーマットをセットし、相手先情報を入力する欄もセットしておけば、相手に入力をしてもらう情報を社内に確認する負荷の低減も期待できます。
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・一括送信
同内容の文書を、複数の送信先へ一度に送信できる機能です。
また、テンプレートと組み合わせて使うこともできます。
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・電子署名フォーム
相手先を特定しない署名依頼を作成できる機能です。
あらかじめ文書や署名位置がセットされたフォーマットを作成し、専用のURLとして発行することで、不特定多数との契約を可能にします。
例えば、SNSで情報を拡散する際に専用URLも記載しておき、そこからお申込みをいただくといった活用などが考えられます。
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・スキャン文書管理 ★セキュリティ・内部統制パック対象★
GMOサインで締結していないPDFファイルを保管する機能です。
契約書の電子化を進めても一部の契約は紙媒体で残るケースもあり、一元管理をするために利用されていることも多いです。
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・アクセス制限 ★契約印&実印タイプ対象★
各文書の閲覧範囲を設定することができます。
基本的には自身が署名依頼を行った文書しか閲覧できませんが、アクセス制限を設定することで「自身の所属する部署メンバーが起案した文書が閲覧可能」「一部メンバーのみ閲覧可能」といった制御を行うことが可能です。
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・送信件数明細 ★セキュリティ・内部統制パック対象★
請求対象となる封筒件数をCSVで出力できる機能です。
各月の送信数や、部署ごとの利用実績を確認する際に便利です。
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設定の準備が終わりましたら、次はいよいよGMOサインの設定に進みましょう!